新聞で取材されました

お客様インタビュー

株式会社ヤオコー


20年間増収増益を続けている食品専門のスーパーマーケット、株式会社ヤオコーは、足腰の強い筋肉質の会社を目指して、2009年商標管理をはじめとする知財戦略を見直しました。小売業における知財管理について同社総務部文書担当マネージャー 城内康秀氏に伺いました。

 もくじ
 1. 株式会社ヤオコーの業態
 2. 馬場国際特許事務所に依頼していること
   〜出願だけではなく知財顧問として
 3. 課題だったこと〜小売業にとっての知財管理とは
 4. 馬場国際特許事務所に依頼すると決めた理由
 5. 馬場国際特許事務所の評価
 6. 評価点1:商標が見えるようになったこと
 7. 評価点2:知財顧問ができたことでの安心感の獲得
 8. 評価点3:ブランディングを考えた知財戦略に視点が広がったこと
 9. 今後の期待


株式会社ヤオコーの業態
― 株式会社ヤオコーについて教えてください

株式会社ヤオコーは、1890年創業の埼玉県に本拠を置く食品を中心としたスーパーマーケットです。

「豊かで楽しい食生活を提案する日本一のスーパーマーケット」を目指し、年間5〜10店舗を新規出店し、現在埼玉県を中心とした1都5県に104店舗を展開しています。(2010年2月末現在)

売上高は平成21年3月期で1875億円(単体)、従業員数はパート・アルバイトを含めて約1万3000人です。おかげさまで前期21年3月期まで、単体で20期、連結で17期、連続の増収増益で推移しています。

「お客様においしいと言っていただけるもの、ご満足いただけるものを提供したい」という考え方でこれまで店をつくってきました。物が売れないという状況の中においても安売りだけには走らないというスタンスをとってきましたし、その基本軸は創業以来ぶれておりません。

「お客様から信頼され支持される食品スーパー」としての取り組みが評価され、平成20年度「埼玉県食の安心大賞」を受賞いたしました。

また、代表取締役会長の川野幸夫は、先駆者的な企業活動を行っている企業または企業経営者を対象とした平成20年度「第7回渋沢栄一賞」を受賞いたしました。

― 城内様のお仕事について教えてください

私はヤオコーの総務部で、主に株式事務、株式法務、印章管理、資産管理などを担当しています。最大のボリュームは株主総会で、これから忙しい時期を迎えます。

ヤオコーでは、商標を含む知的財産管理を資産管理及び法務関係として位置づけております。私自身はずっと総務畑を歩んできましたが、知財も担当しておりました。


馬場国際特許事務所に依頼していること〜出願だけではなく知財顧問として

― 馬場国際特許事務所(以下、馬場事務所)をどのように活用されていますか

馬場事務所に依頼してまだ1年弱ですが、新規の商標申請はもとより、当社で所有している商標の管理や、新規の案件はまだアイディアの段階から「こういう場合はどうしたらいいですか」などと相談にのっていただいたり、社外知財部といった感じです。

話ながら整理されていくことも多く、一緒にやってもらっているという感じです。

― 依頼して1年弱ということですが、その前はどうしていましたか?

都内の特許事務所に依頼していました。近くはないので頻繁に相談するというわけにはいきませんでしたが、案件も多くなかったことからそれでも間に合っておりました。事業の拡大に伴い、これではよくないのではないかと考え知財管理体制の見直しを始めました。


課題だったこと〜小売業にとっての知財管理とは
― 知財管理体制の見直しとはどのようなものですか?

一般に小売業ではメーカーに比べると知財管理に重きをおいていない傾向があります。ヤオコーは食品主体のスーパーなので、コンプライアンスの肝は「安全」「安心」です。コンプライアンス室とは別に衛生管理の専門部署を設け、業界基準以上の衛生検査態勢を備えております。

しかし、事業が大きくなってまいりますと、知財管理はコンプライアンスと連動して重要なものになってきました。ヤオコーブランドをより前面に打ち出し、ヤオコーファンを増やし、より強い会社を創っていく一環として取り組んでいくべき分野です。

また、知らずに他社の権利を侵害してしまい、それが営業面の足下をすくうようなリスクは絶対に避けなければなりません。その意味で、これまでどおり「安全」「安心」を第一にしながら、知財管理面を強化して、総合的な強い会社を目指していく。そのための見直しです。


馬場国際特許事務所に依頼すると決めた理由
― 見直しを始められて、具体的にはどうしましたか?

いつでもすぐに相談できる地元の弁理士さんがいないかと考えて、まずインターネットで探してみました。市内で3つか4つ特許事務所があることがわかり、各ホームページを見て検討しました。その後、実際に話を聞いてみようと思って、まずは本社からいちばん近い馬場事務所にお話を伺いにいきました。探し始めて1ヶ月後くらいでした。

― 話をしてみて、どうでしたか?

その場で「この特許事務所にお願いしよう」と思いました。
理由は3点ありました。

第1は、「この仕事が好きで始めました」という言葉でした。
   これまで何人かの弁理士さんと話したときも、特に若い方では代々
   弁理士をしているからという人が多いです。その仕事が好きで、
   やりたくてやっていらっしゃるかどうかはわかりませんでした。
   でも馬場先生は「この仕事が好きで始めたんです」とおっしゃった。
   まずポイントはそこでした。

第2に、「ヤオコーが好きです」と言ってくれたことです。
   先生も地元の方なので、子供の時から利用しているそうです。
   ヤオコーに愛情をもってかかわっていただけるのではと思いました。

第3に、「年齢が若いこと」です。
   若さのメリットとして、フットワークがいいことと頭の回転が速いことが
   あります。それと、あくまで傾向としてですが、士業の方は年齢が高く
   なると取っつきにくくなりがちです。その点、若い方ならなんでも相談
   がしやすいですし真摯に応えていただけることもメリットです。


馬場国際特許事務所の評価
― 依頼してみてどうでした?

驚いたのはすごく速いこと。お願いしたことがすぐに返ってきます。

― 例えばどんなことですか?

相談したことの返信も速いですし、「申請をお願いします」と言って、「終わりました」と返ってくるスピードも速いです。

― 申請も速いんですか?

「速いです」
これまで何人かの弁理士さんに申請をお願いした経験がありますが、一番早いですね。

もちろん申請内容が個々に違うので単純に比較はできないですが、他の事務所で10日〜2週間かかっていたような案件が、2日か3日、速いときは1日でできてくるんです。「おおっ!」って感じで。
逆に私の方の作業が追いつかないくらいです。

― 速さ以外ではどうでしょうか?

以下の点を評価しています。
1.商標が見えるようになったこと
2.知財顧問ができたことで安心していられること
3.ブランディングを考えた知財戦略に視点が広がったこと


評価点1:商標が見えるようになったこと
― 順にお聞きします。まず評価点の1点めの「商標が見えるようになったこと」とはどのようなことでしょうか?

今まではそれぞれの登録商標の1点ごとのファイルはあったのですが、一覧を作成していませんでした。馬場さんに一覧を作成していただいて商標の全体が見えるようになりました。全体が見えることで、取る必要のある商標が見えてきました。

一例でいうと、全店で行っている販促のタイトルを登録していないことがわかりました。毎月1日開催の「一押しの市」、15日開催の「中押しの市」という店内にのぼりを立てて大々的に行っている販促です。こういった申請漏れの商標をピックアップして申請しました。


評価点2:知財顧問ができたことでの安心感の獲得
― 評価点の2点めの「知財顧問ができたことでの安心感の獲得」とはどのようなことでしょうか?

これは何点かあります。
まず、先ほども言いましたが小売業は特許と関連の薄い業態なので、社内にその方面に詳しい者がおりません。しかし、小売業にとって商標やブランドは大切な分野ですから、知財顧問ができたことで安心していられるようになりました。なにか問題が起こったときに身近に誰も相談できる人がいないのは怖いことです。

その上、馬場さんは専門家としても知識量が多く深いので、顧問として相談をもちかけるといろんな提案が出てきます。商標の申請の時も、どういう取り方をすれば多くの効用があるかなど、ケースに合わせて的確なアドバイスをしてもらっています。

あるいは、「これは他社で権利化されているものに抵触する危険性がある」というご指摘をいただくこともあり、リスクヘッジとして非常に助かることもあります。


ブランディングを考えた知財戦略に視点が広がったこと
― 評価点の3番目、「ブランディングを考えた知財戦略に視点が広がったこと」とはどのようなことでしょうか?

これも、馬場さんにお願いしてよかった点ですが、「ヤオコーのブランディングを考えて」と言ってくれたことです。そういう視点を持っていませんでしたので、知財戦略をブランディングという大きな観点で一緒に考えていけるパートナーができたことがうれしかったです。


今後の期待
― 馬場事務所に対して要望があったらお聞かせください。

大変満足していますので特にないのですが、あえて要望するとしたら、ダメなものは「それダメ!」とはっきり言ってください、ということでしょうか。
商標取得の可能性がゼロではないときなど、「それはちょっと難しいのではないでしょうか」と言ってくださるのですが、そういうときは「ダメ」と言ってもらった方がいいですね。

弊社は今後の長期目標として、1都6県に500店舗展開、売上高1兆円を目指しています。短期目標としては圏央道の内側、神奈川や東京都の西部に出店していきます。この2月には青梅市に開店しました。

これからは激戦区に出店していきますし、権利関係に詳しい企業さんが出店されていると思いますので、これからも今まで以上のパートナーシップをよろしくお願いいたします。



お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。